第37章 愛はなくとも君がほしい【カラ松】
「あ! 『私もカラ松のことが好き』?」
「イグニッション! それだ、それ! ビンゴォ〜〜!! その言葉が聞きたかったんだ!」
カラ松は嬉しそうに私を抱きしめた。子供みたいに無邪気に喜んでいるのが可愛い。
カラ松ってやっぱりよくわからない。
大人っぽいときもあれば、今みたいに幼いときもある。イタいときもあれば、カッコいいときもあるし、頼りになるときもあれば、やたら気弱なときもある。突然セックスさせてくれって言ったり、変な格好で凍えながらタピってみたり。
本当に意味不明。でも……そこが好き。全部好き。
私はカラ松の背中に手を回した。
「ねぇ、カラ松。私のこと本当に好きなんだよね……?」
「ああ、好きだ」
「友達としてじゃなくて?」
「もちろん! カラ松ガールとして、だ」
はい?
私はカラ松を見上げた。
「えっと……『カラ松ガールとして』はちょっと意味わかんないかな……」
「そうか?」
カラ松が不思議そうに首を傾げる。
「前々から気になってたけど、そのカラ松ガールって何なの?」
「フーンッ、そんな細かいことは気にする必要はない。カラ松ガールはカラ松ガールだ!」
「…………」
「要するに『カラ松ガールの愛菜を世界一愛しているから、セックスさせてくれ』ということだ」
何それ、と返そうとした私の口をカラ松がキスで塞ぐ。今度は最初から舌を絡ませてきた。
「んんっ……!?」
くちづけを繰り返しながら、カラ松は徐々に寄りかかってくる。ベッドに組み敷かれるのに時間はかからなかった。
「愛菜、すぐ挿れていいよな……?」
低い声で囁かれる。
「うん。いいよ……」
カラ松は避妊具の袋を噛みちぎった。少し慣れたのかさっきよりもスムーズだ。手際よく装着する。
私もカラ松も初めから好きって気づいていればこんなに遠回りしなくて済んだのにね。まあ、でもいっか。これからずっと一緒にいられるんだから。
友達でも幼馴染でもなく、恋人として。
……もしくはカラ松ガールとして。
「愛菜……力を抜いてくれ……」
カラ松は性急に私の中に入ってきた。根元までしっかりとおさめると、間髪入れずに力強く律動を始める。今度は何が何でもたくさん突くんだというように。