第37章 愛はなくとも君がほしい【カラ松】
今の言葉はどういう意味? 私はカラ松以外の人とする機会なんてないのに。なんで寂しそうな目でそんなこと言うの?
「くっ……」
カラ松は呻きながら慎重に腰を進める。
「ああんっ……あ……ンッ……ぅ……!」
肉棒は最奥までしっかりとおさまった。
「入った……」
カラ松の絞り出したような声。
信じられない。あっさり入っちゃった。本当に私たち、今繋がっているんだ……。
「愛菜、痛くないか?」
カラ松が心配そうに私の髪を撫でた。優しい手つきに思わずドキッとする。
「うん。大丈夫。カラ松は? 痛くない?」
「ああ……気持ちいい……」
少し申し訳なさそうに答えるカラ松。自分から頼んでセックスしてるから、負い目を感じているのかな? 気にしなくてもいいのに。
私は彼の肩に手を伸ばした。
「ねぇ、カラ松」
「ん〜?」
「まだ……動かなくてもいいの?」
カラ松はさっきから挿入したままの姿勢でじっとしている。
「そうしたいが……動いたとたん出るかもしれない……」
「え、そうなの?」
「ああ……」
カラ松は頷いた。
静かな部屋には空調の音だけが響いている。隅にあるウォーターサーバーがたまにボコッと空気の入る音を立てた。
「愛菜……」
私を抱きしめながら、カラ松が耳元で囁く。
「なに?」
「セックスさせてくれなんて頼んで悪かった……」
は?
私はカラ松を見た。
「今してるのに?」
「ああ、順序を間違えた」
「順序?」
間違えたと言われても……今、まさに挿入中なんですけど?
カラ松は頭を起こして私を見つめた。
「オレは後悔している。セックスを頼む前に先に言うべきだった。愛菜を好きだと」
「えっ……!?」
私は驚いて思わず上半身を起こそうとしてしまった。
瞬間、
「あっ! あああぁ〜〜……」
突然カラ松が情けない声を上げながら、身体をこわばらせる。蜜壺の中がほんのりと温かくなった気がした。