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《おそ松さん》クズでニートな君が好き(R18)

第37章 愛はなくとも君がほしい【カラ松】


「あれれ〜? 愛菜? なんか顔色悪くない?」
トト子がじっと見てくる。 

「そ、そう?」

「もしかして風邪引いた? ちゃんとお魚食べてる? お魚はすごいのよ! 頭も良くなるし、風邪の予防にもなるし、ビタミンやタンパク質だって取れるんだから! お魚を食べなさい!」

「う……うん……食べてる……」

なんだろう? なんでこんなに胸が苦しいんだろう?

私はミルクティーを置いた。

「どうしたの? 全然飲んでないけど? 愛菜が飲みたいっていうから、わざわざ庶民が集まる店に来てあげたのにぃ」

「ご、ごめん……。なんだろ……やっぱり体調悪いのかも……」

そのとき、周りがザワザワとさらにうるさくなった。隣のテーブルの女子高校生たちが窓を指差して騒いでいる。

「何あれ? うける!」

「うわ、この季節にタンクトップ……」

「あのショートパンツ、ヤバくない? 光ってるし!」

「変態じゃないの? 通報したら?」

私とトト子もつられて窓の外を見た。

「ブッ!?」
トト子が飲みかけていたドリンクを吹き出す。

私も思わず口を開けた。

寒くて誰もいないはずのテラス席に男が一人。サングラスをしてタンクトップ。ラメの入ったド派手なショートパンツ。先が反り返り、光り輝く靴。

足を組んでドリンクを飲んでいるが、北風が吹くたびにブルブルと震えているのが遠目でもよくわかる。

女性だらけの店で明らかに不自然な客だ。

「カラ松くん!? あいつ、こんなところで何やってんの!? ヤダ〜! イターい!」
トト子がゾッと青ざめた。

「カラ松……」

本当に何やってるの? もう意味がわからない。

凍えながらも前髪をかきあげ、必死に冷たいドリンクを飲み干すカラ松。見ているだけで胸が痛んだ。

「きゃあっ!」

「ヤバイ! こっちに入ってくる!」

JKたちが悲鳴を上げる。

カラ松は空になったドリンクカップを持って、店のドアを開けた。カウンターのゴミ箱に捨てると、まっすぐ私たちの席に向かってくる。


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