• テキストサイズ

《おそ松さん》クズでニートな君が好き(R18)

第37章 愛はなくとも君がほしい【カラ松】


《愛菜side》


「ね!? ひどいでしょ!? ライブの客がたったの六人って! 信じらんなーい! トト子、超絶可愛いのにぃ〜!!」

トト子の大きな声。

我に返った私は慌ててタピオカミルクティーを吸った。大好きなはずなのに今日は味がしない。タピオカを噛むのもなぜか苦痛だ。

カラ松と気まずくなってから三日。私は久しぶりに友達のトト子と会っていた。

「そ……そうだね! トト子ならもっとお客さんが入りそうなのに」

「でしょ〜? しかもそのたった六人があのクソニート童貞の六つ子! 本当にサイアクー! なんでトト子の信者ってあんなのしかいないわけー!?」

ズキンと胸に何かが刺さった。

クソニート童貞……。

「ね、ねぇ、トト子……」

「ん?」

「トト子って、あの六人からセッ……クスしたいって言われたことある?」

トト子が目を丸くした。

「セックス?」

「う、うん……ごめん、変な話して……」

自分でも何を訊いているんだろうと思う。でも同じ幼馴染として質問せずにはいられなかった。

「あ〜、もしかして六つ子に何か言われた? 嫌になっちゃうわよねー! あいつら、顔見ればセックスしたいセックスしたいって、年がら年中言ってくるもん。もうあれ反射的に言ってるだけだよ。愛菜も気にしないほうがいいよ」

「そ……そうだよね……」

やっぱりそうなんだ。トト子もいつも言われてるんだ。いまさらカラ松に言われたからって、気にする自分がおかしいよね……。

「愛菜? どうしたの? 大丈夫? もしかしてあいつらに何かされたの?」
トト子が心配そうに顔を覗き込んでくる。

「う、ううん……別に……」

「本当に? 何かイヤなことがあったらトト子に相談して? トト子が注意してあげる!」

「ありがとう、トト子。大丈夫だから……」

店内は若い女性で溢れている。特に女子高校生が多い。お気に入りの店だが、今日はなぜかJKたちの甲高いおしゃべりがやけに耳に障った。


/ 804ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp