• テキストサイズ

《おそ松さん》クズでニートな君が好き(R18)

第37章 愛はなくとも君がほしい【カラ松】


『セックスしたい』

みんなでいつもこの言葉ばかり繰り返していた。この話題で盛り上がっていれば、それ以上難しいことは考えずに済んだ。

オレは愛菜とセックスしたくてしたくてたまらなくて……。

ブラザーたちもそうだから自分もそうなんだとしか思っていなかった。

「カラ松兄さん……? 大丈夫?」
不安そうにオレを見つめる十四松。

「あ〜もうっ! めんどくさいなぁ!」
トド松が大袈裟に息を吐いた。スマホを置くと、オレの隣に座る。

「カラ松兄さんは人に言われないと自分の気持ちもわかんないの? 兄さんってそういうところあるよね。別にみんなに合わせるだけが優しさじゃないでしょ? 兄さんだけ愛菜を真剣に好きなら好きでいいんだってば! 気持ちまでボクたちに合わせて抑えなくてもいいの!」

「…………」

銭湯でセックスセックス叫んで六人で大騒ぎしていた日々が蘇る。

愛菜……。

「お! やっとわかった? んじゃ、今から行って愛菜に告ってこいよ」
おそ松が玄関を指差す。

「そうだね。もうこんなのにいちいち付き合うのイヤだから早く行ってきて。仲いいんだし、もしかしたら愛菜もOKしてくれるかもしれないよ?」
トド松も頷いた。

「いや……ダメだ……」

「なんで? 愛菜と仲いいんだから行ってこればいいだろ?」
チョロ松が勇気づけるように肩に手を置く。

オレは畳に手をついた。

「違うんだ、ブラザー。もう遅い。ダメなんだ……」

「「「「「?」」」」」
五人が一斉に顔を見合わせる。

オレはなんて愚かなんだ。昨日の自分を殴りたい。

「もう愛菜に言ってしまったんだ……。『愛はないがセックスさせてくれ』と……」

「「「「「はぁっ!?」」」」」

落ち葉の絨毯を踏みながら、振り向かずに去っていく愛菜の姿が脳裏に浮かんだ。




/ 804ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp