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《おそ松さん》クズでニートな君が好き(R18)

第37章 愛はなくとも君がほしい【カラ松】


私は鞄を肩にかけ直すと、再び歩き始めた。
「カラ松は携帯を持ってないんでしょ? 写真って言われても画像を送れないよ? 現像するわけにもいかないし」

「っ! じゃあ、携帯があれば送ってくれるのか!?」

「送らない」

「愛菜〜! ウェイト! 行かないでくれ! 頼む!」

塀の上で丸まって寝ていた野良猫がうるさそうに目を開ける。

カラ松ってば本当になんなの? わけわかんないよ。

私のことそういう目で見ていたんだ? しかも愛がないけどヤラせてくれ? 失礼すぎる。親友だと思って信頼していたのに……。一人の人間としても見てないじゃん。これじゃただの道具だよ。

「もう帰るから」

「愛菜! すまない! 違うんだ! そのっ……誤解していないか!?」

何が違うんだか。

「じゃあね、カラ松」

私はさっさと振り向かずに歩いた。

「愛菜……」
背中から寂しそうなカラ松の声。

カラ松のバーカ。

六つ子たちみんなクズでクソだけど、それでもいいやつらで大事な友達だと思っていた。

特に……カラ松は……。

地面を染める真っ赤な落ち葉をわざと踏みしめる。シャリシャリと乾いた音を聞きながら、私は家路を急いだ。




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