• テキストサイズ

《おそ松さん》クズでニートな君が好き(R18)

第7章 ハロウィンナイトは危険なあなたと【十四松】


(道を走ってたら、すぐ見つかってしまうかもしれない……)


愛菜は、思い切って山道を外れ、草むらの中に飛び込んだ。草木を掻き分け、ひたすら走る。暗闇の中、どこに向かっているかは分からない。


顔や足を枝に引っ掛け、擦り傷ができ、血が滲む。この日のデートのために用意した少し高いストッキングも、とっくの昔にびりびりに破れてしまった。


どれくらい走っただろう。愛菜は、息を切らしながら足を止めた。


(かなり走ったはず……。ここまで来ればとりあえず大丈夫だよね。どこか隠れる場所を……)


呼吸を整え、顔を上げた瞬間、


「みーつけた!」


上から声が降ってきた。


「あ……」
絶望で体が硬直する。


目の前にふわりと男性が降りてきた。


正装した服の上に黄色いフロックコートと黒いマント、襟に巻かれたスカーフ。髪が逆立ち、牙が目立つ。


「十四松くん……?」


恐怖と必死に戦いながら、愛菜は男を見つめた。


「うん! 十四松だよ!」
ニコニコと笑う。


「な、なんで……どうしちゃったの……」


十四松は、一歩前へと踏み出し、愛菜に近づいた。草を踏む音が静かな暗闇に吸い込まれていく。


「愛菜ちゃん……」


「いや……来ないで……」
愛菜は、後退った。


/ 804ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp