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《おそ松さん》クズでニートな君が好き(R18)

第7章 ハロウィンナイトは危険なあなたと【十四松】


「お菓子くれなかったら、イタズラしてもいいんだよね……?」


「じゅ、十四松くん……?」


ゾクリと鳥肌が立つ。愛菜は、本能的に危険を感じ、十四松から体を離した。


(何? どうしたの? 十四松くん?)


十四松は、相変わらず顔を上げない。アイドリングのエンジン音だけが車内に低く響き続ける。


「ねぇ、愛菜ちゃん……ハロウィンってモンスターの仮装するんだよね……?」


「は……?」


(何? 何の話をしているの?)


得体の知れない恐怖が徐々に湧き上がってくる。暑くもないのに額に汗が滲む。


「それってさ、本物のモンスターなら、仮装はしなくていいのかな……?」


十四松がゆっくりと顔を上げ、愛菜を見た。


「っ!!」
愛菜は息を呑む。


青白い顔、血走った目、口からはみ出す2本の鋭い牙。


「きゃあっ!」
愛菜は、悲鳴を上げた。


「イタズラしてもいいなら、愛菜ちゃんの血を飲みたいな……」
十四松がニヤリと笑う。


「い、いやっ!」


愛菜は、シートベルトを慌てて外すと、ドアを開け、無我夢中で外へと飛び出した。勢い良く降りたせいで足がもつれる。


(転んじゃだめ! 逃げなきゃ!)


考えている余裕はない。愛菜は、なんとか体勢を立て直すと、そのまま山道を走り出した。


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