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《おそ松さん》クズでニートな君が好き(R18)

第34章 イジワル上司の松野さん【トド松】


「ち、違いますっ! 何言ってるんですか!?」
私は横を向いた。

額に汗が滲んでくる。

松野さんはただの上司。意識しない。そう決めたばかりなのに。なんでその『ただの上司』が私を壁に追いやって迫ってきてるの?

「違わないよ……。わかるんだ……。君はボクに抱かれたい……」

耳元で囁かれ、ゾクゾクと興奮が背中を這い上がる。私は目を瞑ってなんとか表情に出さないように努めた。

「な、なんでそんなこと決めつけるんですか? 私が自分で違うって言ってるのに……。そういうの、うぬぼれっていうんですよ……」

我ながら説得力がない。言葉に力がないもの。あたりまえだ。だって、今すぐにでも『そのとおりです』と言って抱きつきたいぐらいだもん。

松野さんはふふっと小さく笑った。

「決めつけじゃないよ。わかるの。同じ気持ちなんだって。ボクも昨日の続きがしたくて、たまらないから」

「っ!!」

全身の血が一瞬で沸騰した気がした。足の先から頭のてっぺんまで興奮が走り抜ける。

「でっ、でも! 忘れろって言ったくせに! なんで――んぅっ……!?」

最後まで言い終わる前に、強引に口づけをされていた。

松野さんが激しく唇を貪る。すぐに口の中まで犯され、間髪入れずに舌が踊り回る。

息をする暇がない。顔を離そうとしても頭のうしろを押さえられてしまっている。

「っ……んんっ、んんんっ、んうっ、ん、んっ……」

苦しくて目が潤んでくる。でも同時に脳がとろけてしまいそうなくらいの快感が駆け巡る。

ずるい。ずるい。ずるい。松野さんはずるい。必死に我慢してたのに。

「っ……ぷはっ……! 松野さんっ……だめっ……誰かにっ、見られたら……!」

なんとか唇を離して言うと、松野さんの瞳が大きく揺れた。

「ふぅん……じゃあ、見られなければいい?」

松野さんが腰を抱きよせる。すぐ横にあった非常階段のドアを開いて、私を中に押し込んだ。自分も続けて入ってくる。

「っ……」

松野さんの背後でガチャンとドアの閉まる音。目の前にいるのは片手で器用にネクタイを緩める上司。薄暗い非常階段の踊り場で松野さんは私の身体を強く抱きしめた。


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