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《おそ松さん》クズでニートな君が好き(R18)

第33章 青春性愛ストロベリー【一松/えいが松】


「ちっ、違うよっ。本当に……おれがっ……全部……悪い……。奥田に……素直に……いえなかったから……。ごめん……」

松野くんも泣いていた。たぶん彼の涙を見たのははじめてだと思う。

「っ……松野くんっ……」

どちらからなんて、わからない。

気づいたら私は松野くんの腕の中にいた。彼にしがみついて、暖かい胸に顔を押し付ける。紫のパーカーが私の涙で濡れていった。松野くんもぎゅっと強く抱きしめてくれる。

「奥田……泣かないで……」

「松野くんだって……泣いてるじゃん……」

「おれはいい……。どうせゴミクズだし……」

「何それ……」

顔を上げると、すぐ近くに松野くんの顔があった。さっきは感情の見えなかった瞳に今は優しい光が灯っている。

「奥田……本当におれのこと好きだったの?」

「うん。本当だよ……。松野くんは? もしあの頃告白したら私のこと振ってた?」

松野くんがふっと穏やかに微笑んだ。

「そんなわけない……。おれも奥田のこと好きだった。ずっといえなかったけど……」

嬉しい。

私は松野くんの胸にまた顔を埋めた。

「もしかしてあの頃、両想いだったのかな?」

「たぶん」

「告白しておけばよかった」

「うん。でも今できたから……」

松野くんが私の髪を優しく撫でてくれる。なんだろう。すごく心地よくてホッとする。

「ねぇ、松野くん」

「うん?」

「今は? もう他に好きな人できた? 彼女いるの? もしかして結婚してる?」

頭の上で松野くんが苦笑する気配があった。

「結婚どころか彼女なんていたことないんだけど。おれ、今でも奥田が好きだし……」

私は再び顔を上げた。松野くんと目が合う。涙は止まっていたけれど、瞳は赤く腫れていた。

「私も。今も松野くんが好き」

「奥田……」

松野くんが膝を曲げるのがわかった。少し右に傾けた顔が近づく。私もつま先で立って背伸びする。目を瞑った瞬間、ふたりの唇が触れあった。


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