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《おそ松さん》クズでニートな君が好き(R18)

第33章 青春性愛ストロベリー【一松/えいが松】


《愛菜side》


「大人の私? 思い出の世界? 意味わかんないよ……」
高校生の私が訝しげに睨んでくる。

「わかんないだろうけど、これマジなんで……。ねぇ?」
大人の松野くんが助けを求めるように私を見た。

思い出の世界?

そんなの私も初耳。つまり、タイムスリップではないってこと? 誰かの記憶の世界って、いったい誰の? なんで私も松野くんも巻き込まれてるの?

こっちが訊きたいくらい。

「へぇ〜大人のおれかぁ。いいじゃん!」
18歳の松野くんが調子よく笑う。

一見余裕の表情だけど、そわそわ手を動かしているところを見ると内心はかなり動揺しているみたい。

あたりまえといえば、あたりまえか。大人の自分にいきなり会ったら誰だってびっくりするよ。


逃げるように店を出た私たちは近くの公園に来ていた。会計は高校生の分も私の分も、まとめて大人の松野くんが払ってくれた。

私も払うっていったのに、ぶっきらぼうに「いいよ……おれが払うんで……」って。

松野くん、なんだか変わった? でも違和感はない。むしろ、昔より堂々としているようにも見える。

大人の松野くんがボソボソと話し出す。
「と、とにかく……お、おれは奥田と離れたくなくて、あんなこといっただけだから……、ほ、本心じゃないしっ……」

「は!? 何いってんの!? やだなぁ! 違うし!」
高校生の松野くんが真っ赤になった。

「違わないだろ……。おまえ、このあとどうなるか知ってんの? 奥田とは喧嘩したまま、ひとことも喋らず卒業……。それから一度も会わないんだぞ……」

「「えっ」」
18歳の二人が同時に声を出した。

私もうなずく。
「そうだよ! 私なんて大人になっても後悔してるんだからね! 愛菜、松野くんと喧嘩しないで! ちゃんと仲直りして! 松野くんのこと、好きなんでしょ?」

「「「えぇっ!?」」」
今度は三人が一斉に目を丸くした。


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