第6章 ドント・ストップ・ミー【おそ松】
あー、やっぱ、可愛い。なんだっけ? エロくてセクシーなお姉さん? んなもんクソ喰らえだ。愛菜に勝てる女なんかいねーんだよっ。
「愛菜」
「ん?」
「キスならしていいかな……?」
「うん」
俺は愛菜を抱き寄せると、唇にそっとキスをした。
やっぱ、愛菜の唇がいちばん。いや、他の女としたことないけどね。
後ろから歯で壁を削るような音や、床に頭を打ち付けるような音が聞こえる。
へへ……弟たちか……。よーく見とけよ、これが俺の女。最高だろ? お前らにはやんねーからな。
唇を離すと、俺は愛菜に頭を下げた。
「ごめん。ヘッドホン壊しちゃったんだよな。弁償するからさ、買いに行こうぜ」
「いいよ、そんな高いものじゃないし」
愛菜が笑う。
「あのさ、あの時聴いてた曲、クイーンの曲だろ? 愛菜って古い曲好きなの?」
愛菜が不思議そうに首を傾げた。
「あれ? 言ってなかったっけ? 私、高校の時、軽音部にいたの。先輩たちに色々昔のロックとか聴かされて」
「え? 軽音? 愛菜って楽器やってたの?」
俺は驚いて愛菜を見る。
「うん。ベース。言ってなかったっけ?」
「聞いてない……」