第6章 ドント・ストップ・ミー【おそ松】
「え、がっかりした……?」
愛菜が不安そうに俺を見る。
「いや、意外だったけど……」
意外だったけど、そんな愛菜もなんか新鮮でいい……。
俺は愛菜の手を取った。細くて可愛い手。
「なぁ、愛菜って、他にもそういうの聴くの?」
「うん、たまに聴くよ。おそ松くん、興味あるの?」
「愛菜の好きなもの、もっと知りたいなって……」
愛菜がまたふふふっと笑った。
「よかったら聴く? スマホに全部入れてあるから」
「うん。なら、やっぱ新しいヘッドホンを今から買いに行こうぜ?」
俺は靴を履く。
「うんっ! じゃあ、行こっ!」
愛菜が嬉しそうに俺を見上げる。
もう離さねぇよ、絶対。
俺たちは手をしっかりと繋ぎ直すと、家を後にした――。
―END―