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《おそ松さん》クズでニートな君が好き(R18)

第32章 咲き乱れよ愛慾の長春花【逆ハー/三国志松】


そのとき、突然横から手が伸びてきた。

「きゃ!?」
咄嗟によける。

何? 今度は誰?

伸びてきた手には、しっかりと桃の実が握られていた。黄色い着物を着た男性だ。

「あっは! 桃、好きー? 桃、食べるー?」

口の周りも手も桃の果汁だらけ。鼻水も垂らしてグチャグチャだ。忍び込んだときになぜ床が汚れていたのかわかった気がする。

「桃は不要です……」

「えー!? いらないのー!? なんでー!?」
男性は手に持っていた桃も豪快に食べ始めた。

「あ、そいつは軍師の十四松。なんかめっちゃ桃ばっかり食ってんだよね〜」
うしろでおそ松帝が説明してくれる。

軍師? この人が? とても賢そうには見えないけど……。

「桃、大好きー!」
十四松も楽しそうに声を張り上げた。

そういえば、おそ松帝は最初にこの国には六人いるといっていた気がする。

帝のおそ松。猛将カラ松。文官チョロ松。野蛮王一松。軍師の十四松。若き将トド松。

「なぁ、おねーさん、いい加減諦めたら? 朕たち六人いたら逃げられないと思うよ?」

「…………」

さっきから一松は私を睨み続けている。部屋の入り口には仁王立ちしたカラ松。トド松を引っ張りながら、チョロ松も部屋に入ってきた。

たしかに突破するのは無理そうだ。

「無理やりはしたくないんだよね〜。同意のうえでキモチイイことしたいの。別に殺したりするわけじゃないしさ。ちょっと遊ぶぐらいしようよ、おねーさん」

「遊ぶって……胸に触る度胸もない童貞のくせに……」

おそ松帝が目を細める。
「そうなんだよな。なかなか勇気なくてさ。情けないだろ? んじゃ、おねーさんが度胸つけさせてよ。朕たちを漢にしてくれる?」

「っ……!」
一瞬、ドキッとしてしまった。バカバカしい。

入り口にいたカラ松も近づいてきた。気づけば、私は六人の男たちにぐるりと囲まれていた。


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