第32章 咲き乱れよ愛慾の長春花【逆ハー/三国志松】
なんと卑しい漢。抵抗できないと思って!
「いいのぉ? いいのぉ? 揉んじゃうよぉ?」
おそ松帝が迫ってくる。
知らない国でこんな辱めを受けるとは……。
私は観念して目を瞑った。
こうなったら耐えるしかない。腐っても鯛。我は丞相・曹操の娘。不埒な行為をされようが、誇りを失うわけにはいかない。来るなら来い!
…………。
……ん?
……あれ?
何も感じない。
目を開けると、おそ松帝はまだ空中で手を動かし続けている。
「あの……?」
声をかけると、おそ松帝はまたいやらしく笑った。
「なんだよ? 許してほしいなら早くいえよ! 許してやんないけどな!」
「はぁ……さっき揉むっておっしゃいましたよね?」
「うん! 揉んじゃう! 揉んじゃうぞ! いいのぉ〜?」
「……なんでさっさと揉まないんですか?」
「えっ……」
おそ松帝が固まった。
何この人。何がしたいの? もしかして脅しているだけ? ならば、さっさと解放してくれればいいのに。
おそ松帝は汗をかきながら、目を泳がせる。
「そりゃあ、揉むよ! 揉んじゃうよ! それはもう、たとえるなら……えっと……ん〜……なんていうの? アレだよアレ! 宇宙! まるで宇宙のようにめくるめく感じで揉んじゃうからな! なあ、カラ松?」
「えっ!? わ、我!?」
名前を呼ばれたカラ松が飛び上がった。
「ああ、この女に朕たちのエロさを見せつけてやれ! カラ松、揉んじまえ!」
今度はカラ松がオロオロし始めた。
「お……おお……! おお……! も、もちろんだぜ! 揉んでやる! もう……すさまじく……すさまじく、すんごい揉んでやる! な、チョロ松?」
「はあーーっ!? 我ですか!?」
隣のチョロ松もギョッと目を見開いた。
「おう、そうだよ、文官! この女に朕たちが本気だって思い知らせてやれよ!」
おそ松帝が拳を上げる。