第30章 熱帯夜【逆ハー】
「なぁ、愛菜ちゃん。なんでまた水着を着ちゃったの? 脱いだままでよかったのにさぁ」
おそ松さんがニヤニヤしながら、ビキニトップに手をかけた。
「っ……!」
ランタンの光がユラユラと動く。テントの壁に大きく映し出された六つの影。むせ返るような熱気。甘ったるい花の香りが匂い立つ。規則正しい波の音が耳朶(じだ)をなぶった。
「はーい、これはいらないから取りまーす!」
するりとビキニを奪われ、投げ捨てられる。飛び出した胸の膨らみにおそ松さんはすぐさま吸いついた。
「あっ……!」
ビリッと快感が走る。この声を合図に他の五人も私の身体に群がった。テントの中の温度が急上昇した気がする。
「ねぇねぇ、下も脱ごう?」
トド松さんが水着を引っ張った。
「だめっ……」
脱がされないように押さえる。一松さんがニヤニヤとトド松さんの腕を掴んだ。
「脱がさなくていいよ……。バーベキューで使った肉切りバサミがあっただろ……?」
「ああ……。そうゆうこと? ナイスアイディア、一松兄さん。取ってくるよ」
トド松さんもニヤリと下衆な笑みを浮かべ、立ち上がる。
そのあいだもおそ松さんはペチャペチャと膨らみの蕾を舐め続けていた。十四松さんが私の耳たぶを優しく齧る。思わず息を漏らすと、長い舌が耳の中へ入り生き物のように這いずり回った。
「ぁ……ぁあんっ!!」
刺激が強い。花のせいで敏感になっている。
「ハニーは可愛いな……」
カラ松さんが私のおなかに優しくキスをした。チュッチュッと音を立てながら、唇は腰へと向かう。
「愛菜ちゃん……」
チョロ松さんがうっとりと目を細め、私の唇を塞いだ。右手で自分の股間を擦りながら、にゅるりと私の口内を舐め回す。
「ん……ンんっ、んんーーーー!」
チョロ松さん、すごく積極的。息継ぎする暇もないらいに激しく舌を絡めてくる。
「一松兄さんッ、持ってきたよ!」
トド松さんが戻ってきて、一松さんに何かを渡した。たぶんさっき言っていた肉切りバサミだ。