第30章 熱帯夜【逆ハー】
「あのっ……」
おそ松さんがさらに身体を押しつけてくる。
「そのまま、十四松のほう向いてりゃいいよ。左手だけ貸して」
私の手を取って自分のものへと重ねる。すでにカチカチに硬くなっていた。
「愛菜ちゃん、もうちょっといいっすか?」
十四松さんの指が水着のカップのまわりを這う。
「っ……」
身体の芯が熱くなってきた。夕方の情事の興奮が蘇ってくる。
これは……本当にまずくない……?
「十四松、おっぱい見たいんだろ? 兄ちゃんが外してやるよ」
え!?
だめという間もなく、おそ松さんが背中のホックを口で器用に外す。
「ま、待って!」
水着が緩み、胸が飛び出した。
「おっぱーい!!」
十四松さんが大声をあげて飛びつく。
「ぁんっ……!」
待って、って言ったのに! 十四松さん、力が強いし!
その隙におそ松さんは片手で器用に自分の海水パンツをおろした。ちゃっかり私の手に直に握らせる。
「きゃ!?」
ゴツゴツしていてすごく熱い。手のひらが濡れたのがわかった。
「あ、ごめーん。手についちゃった? 興奮しすぎて我慢汁出ちゃってさぁ」
言いながら私の手を掴み、無理やり擦らせる。手についた液がのび、滑りがいい。すぐにおそ松さんの口から苦しそうな呻きが漏れた。
どうしてこんなことに……。
気持ちがまだ完全にはついていけない。でも、ふたりは止まりそうもない。
「愛菜ちゃん、すっごく気持ちいいっす! あと、ここも可愛い!」
目の前の十四松さんが『ここ』を指で弾いた。
「ひゃっ!?」
思わず声が出ると、嬉しそうに連続でピンッピンッと弾きだす。
「ねーねー、愛菜ちゃん、キスしてもいい?」
十四松さんがにっこりと笑った。
「おい、待てよ十四松! キスは俺が先!」
「えー!? 兄さんはさわってもらってるよねぇ? ぼくだってタッティしてるのに!」
「うるせぇ! 愛菜ちゃん、俺としよ? な?」
ええっ!? キスまで!?
こんなことしてたらだめだよ。カラ松さんも一松さんもすぐ横にいるし、いつトド松さんたちが帰ってくるかわからないのに。
おそ松さんが上半身を起こし、私の唇を奪った。