第30章 熱帯夜【逆ハー】
「くそっ……! もう知らないからね! ボクだって男なんだ!」
「きゃ!?」
トド松さんの両手が私のお尻をむんずと掴んだ。
「全裸で男の上に乗るなんて、犯されても文句言えないからね!?」
激しく揉みしだくと、トド松さんは寝転がったまま、ラッシュガードを脱ぎはじめる。
「トド松さん……早くぅ……」
待ちきれない。彼の上ですりすりと腰を押しつけると、トド松さんは急いで下の水着も脱いだ。
「ぬ、脱いだよ!」
「じゃあ、ぎゅっとしましょ?」
「うん! する! するよ!」
私はトド松さんに覆いかぶさった。首に手を回し、強くしがみつく。何も身に着けていないと肌と肌が密着し、彼の鼓動がダイレクトに伝わってきた。
「トド松さんってお肌すべすべですね……」
「えへへ、そう? 毎晩、全身にボディクリーム塗ってるからね」
得意げに微笑むトド松さん。
「こうしてるだけで気持ちいいです……」
「うん、ボクも。勃ってきちゃった……」
トド松さんの腕が背中に回され、抱きあったまま私たちは転がった。
「トド松さん……」
「愛菜ちゃん……好き……」
「私も……」
キスをして、足を絡めて、転がって、またキスをして……。草がチクチクと背中を刺激する。それさえも快感のスパイスになって興奮を煽った。
恋人同士みたい。今すごく幸せ……。
「ねぇ、愛菜ちゃん。ボクもっと愛菜ちゃんと仲良くなりたいなぁ。ひとつになりたいっていうか……ボクとじゃだめかな?」
甘えた口調で私のおへそをくるくると弄るトド松さん。
「うん……私もひとつになりたい」
トド松さんの頬に軽くキスをする。彼は私から離れると、脱ぎ捨てた水着を弄り避妊具の箱を出した。
「実はね、もしかしてこんなこともあるかなーと思って、ボクたち買い出しのときにゴムも買ってきたんだよ。薬局に行ったって聞いたでしょ? ふふっ、まさか本当にコレを使えるなんて! ね? いいよね?」
ウインクをすると、トド松さんは避妊具をひとつ取りだした。