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《おそ松さん》クズでニートな君が好き(R18)

第30章 熱帯夜【逆ハー】


本当に食料を持ってきてよかった。

次々と焼かれる肉と野菜。おいしそうな匂いが立ちこめ、私たちはようやく少しホッとした。

「「「「「「いただきまーす!」」」」」」

遭難してるんだから少しは残したほうがいいのかもしれないけど、食べだしたらみんな止まらない。

「愛菜ちゃん、おいしいねー!」

「そうですね、十四松さんっ」



そのとき。


ガサガサと草がかき分けられ、カラ松さんがひょっこりと顔を出した。

「おっ、カラ松ぅ。始めちゃってるよ〜」

おそ松さんが手を振ると、カラ松さんは「ああ」とぎこちなく頷いた。

あれ? カラ松さん、顔が赤い? なんだか様子がおかしい気がする。

フラフラと私の隣に腰を下ろしたカラ松さんにそっと声をかけてみる。

「カラ松さん、もしかして熱あります?」

「っ!」
カラ松さんはビクッと大げさに身体を震わせた。こっちが驚いてしまう。

「どうしたんですか? 大丈夫!?」

「あ、ああっ……問題ないっ」
額から流れる汗。手が震えている。とても問題がないようには見えない。

「カラ松、早く食べなよ。なくなっちゃうよ?」
チョロ松さんが不思議そうに見る。

「あまり食欲がなくてな……」

「じゃあ、カラ松さんの分、残しておきましょうか? あとで食べますよね?」
私はお皿に肉と野菜を取りわけた。

カラ松さんが勢いよく立ち上がる。

「愛菜ちゃんっ、すまない! ちょっと来てくれないか?」

「どこへですか?」

「向こうへ……」

カラ松さんの指さす方向は森の中。何かあるんだろうか?

「おいおい、カラ松。どうしたぁ? お前、目が虚ろじゃね?」
おそ松さんも異変に気づいた。

「ああ……少々体調がおかしくてな……。でもとにかく少しだけ愛菜ちゃんに来てほしいんだ……。少しだけだから……」
余裕のない顔で訴えてくるカラ松さん。


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