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《おそ松さん》クズでニートな君が好き(R18)

第30章 熱帯夜【逆ハー】


「ほ、ほら、すぐ近くに小さな島もあるみたいだし! ボート借りて遊びに行くとか……」
険悪なムードに耐えられなくて、適当に思いついたことを言ってみる。


一瞬、沈黙があったあと、




「「「「「「それだー!!」」」」」」 
六人が叫んだ。


「別にどうしても行きたいとかじゃなくて、たとえばの話なんですけどっ」

私の言葉を無視して、海から慌ただしく上がる六人。輪になって話しはじめた。コソコソ喋っているわりには、声が大きいから筒抜けだ。

「トッティがスタバァの女の子たちと行こうとした島だろ? たしか無人島だったよな?」

「迂闊だったぜ! そんなワンダフルなアイランドがあることを忘れていたとは! すぐボートだ! オレが借りてこよう」

「ねぇカラ松、ついでに食料も買ってきてよ」

「クソ松……日よけのテントも……」

「カラ松兄さん、野球道具も!」

「ちょっとちょっと! カラ松兄さんに全部頼みたいところだけど、さすがに時間かかりそうじゃない!? 手分けしよう」

この間わずか10秒。なにやら役割分担をしているみたい。

「……よしっ、決まったな。んじゃ、すぐに準備!」

「「「「「了解!」」」」」

五人がどこかに走りだし、残ったおそ松さんがニヤニヤしながら歩いてきた。

「みんなはどうしたんですか?」

「あいつらのことは気にしなくていいよ〜。ボート借りに行ったから、愛菜ちゃんはここで待ってて。あと、食べ物買いに行ったり、薬局行ったり」

「薬局? 誰か怪我してるんですか?」 

「ん、まあ、そんなとこだな」

思いつきで言っただけなのにな〜、大ごとになってきちゃったかも。

砂浜に座りこんだおそ松さんの隣に腰をおろす。

打ちよせる波の音が気持ちいい。


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