第28章 キミと浴衣で花火デート【おそ松/デート松】
「どうせ電車すくまで時間かかりそうだしさ、今日はどこかに泊まっていかね? 汗かいたからゆっくりシャワーも浴びたいしさ」
「え……?」
泊まる? それって……。
途端に心臓が早鐘を打ち始める。
「さっき『後でね』って言っただろ? そんなこと言われたらさ、やっぱ抱きたくなるって言うか……自信ないけど、俺は愛菜と一緒にいたい」
おそ松くんが真っ直ぐに私を見つめた。
どうしよう。おそ松くんと泊まる……。つまり、おそ松くんと最後までする……。
花火を見ながら彼の指で愛撫されたことを思い出す。ドキドキしたし、気持ちよかった……。
おそ松くんは真剣な顔で私を見つめ続けている。
「おそ松くん……」
私は離れていた彼の手を取った。おそ松くんがハッとする。
「愛菜、いいの!? じゃあ、早くラブホにい」「今日はごめん」
「えっ……?」
おそ松くんがぽかんと口を開いた。
「また今度、続きしよ? ね?」
再び歩き始めると、おそ松くんが慌てて追いかけてくる。
「なんでだよ〜! 今、絶対ラブホ行く流れだったじゃーん! 愛菜も俺に抱かれたいんだろ!? 俺、頑張るって!」
「だって、焼きそば、なかなか食べさせてもらえなかったし」
「そこ!? そんなに根に持ってたの!? もういいだろ!? ヤラせてよ! なっ? なっ?」
ヤラせてって何? さっきはカッコよく誘ってくれたのに。