第6章 ドント・ストップ・ミー【おそ松】
「え? あ、ごめんごめん!」
「もう、さっきから変だよ? どうしたの?」
愛菜が頬を膨らませる。
「いや〜たははは! 何でもないよ」
俺はヘラヘラと笑いながらごまかした。
「あのね、おそ松くん……」
愛菜が少し顔を赤らめ、モジモジとする。
「ん? 何?」
「その……ちょっと、トイレに行ってきたいんだけど……」
「ああ、うん。待ってるから行って来れば?」
「でも……」
愛菜が落ち着かない様子で目を泳がせる。
「ん? 何? 大ってこと?」
「ちっ、違うよっ! 小、だけど……」
「ん?」
「その、トイレの場所が近いから、部屋にいても音が聞こえちゃうから嫌だなって……」
俺はポカンとした。
え、何、そんなこと気にしてんの?
「大丈夫大丈夫! 俺、そーゆーの気にしないから!」
「だめ! おそ松くんが気にしなくても、私が気になるの! 聞こえちゃうの嫌だもん!」
愛菜が真っ赤になって叫ぶ。
「んじゃ、俺、耳塞いでおこうか?」
「うん」
愛菜は頷くと、立ち上がって棚の中からヘッドホンを取り出し、スマホに繋いだ。