第6章 ドント・ストップ・ミー【おそ松】
「あーうん、大丈夫、大丈夫。ちょっと足攣っちゃって」
「え、なんで……?」
愛菜が、怪訝な顔をする。
「あー、いや、本当にここらへんの地域って、磁場の関係なのか足攣りやすいよねー」
「え? 何それ? 聞いたことないけど……」
俺の適当な嘘に愛菜は不思議そうな顔をするものの、それ以上は特に何も言わずに、テーブルにお盆を置いた。
「はい。オレンジジュースでよかったかな?」
「うん、あんがとっ」
俺はテーブルの前にあぐらをかいた。愛菜もちょこんと向かいに座る。
「…………」
「…………」
やべぇ、もう会話終了しちまった……。何を話していいのか分かんねぇ。外だったら何なりと会話が続くのに。
愛菜も困ったように俯いている。
にしても、キレイな顔してるよな……。
俺は気付かれないように愛菜を盗み見る。
あー、もうすでに触りてぇ。でも、この気まずい雰囲気から、ムード作るのとか面倒くさいな。もう、襲っちまうか……。
悶々と考え込んでると、
「おそ松くん、おそ松くんってば!」
気付くと、愛菜がこっちを見ていた。