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《おそ松さん》クズでニートな君が好き(R18)

第28章 キミと浴衣で花火デート【おそ松/デート松】


ドーンッ、ドンッと身体全部が震えてしまうような大きな音。続いて真上に広がる花火。あまりに近すぎて、視界に入り切らない。目の前の空全部が花火で覆い尽くされる。

「ああっ! すごい! きれい……! 本当に……すごいよ……! ねぇっ、おそ松くん!」

こんなに大きい花火、初めて見た。真上すぎて、見上げているとすぐに首が痛くなる。焦げ臭い匂い、打ち上がるたびに風に乗って灰が飛んできた。

「本当にすげぇな……」
おそ松くんの声。

うん、本当にすごいよね。そう言いたくて、彼のほうを見る。

「え? おそ松くん……?」

すごいと言ったくせに彼は空を見上げてはいなかった。目を細め、優しく微笑みながら私を見ている。

胸が鳴る。

……おそ松くんって、本当にカッコいい。

「愛菜……」

彼はそっと私の肩に手を回した。優しく引き寄せられる。

「おそ松くん……」

「座ろっか?」

「うん……」

私たちは身体を離さず腰を下ろした。自然とおそ松くんにもたれかかる。

次々と開いては空に散っていく真夏の花。

「きれいだね……」

お前もな、とおそ松くんが小さく呟いた気がした。




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