第28章 キミと浴衣で花火デート【おそ松/デート松】
「うんっ! 何食べよっか?」
どの屋台も人だかりができ、活気にあふれている。私たちは端から順番に屋台を覗いた。
「ん〜! 焼きそばとか唐揚げとか行きたいところだけど、あとで酒飲みながらでもいいしな〜。ここは敢えてかき氷だな。イチゴシロップのやつ」
「かき氷かあ。いいね!」
おそ松くんはすぐにイチゴのかき氷を注文する。たっぷりと盛られた氷がすごく美味しそう。
「愛菜も一緒に食べる?」
「うんっ」
私たちは屋台の外れの人が少ない場所まで移動すると、並んで腰を下ろした。
「ほい、食べさせてやるよ。あ〜ん」
おそ松くんがかき氷をすくってくれる。
「ちょっ……恥ずかしいよ」
「誰も見てないって。カップルだらけだし。ほら、早くしないと全部食べられるぞ、俺に! あ〜ん!」
言われた通り口を開けると、氷が舌に乗せられる。
「ん〜冷たいっ」
ヒンヤリと甘い夏の味。じりじりと火照った身体を心地よく冷やしてくれる。
「おいしい?」
ニコニコと覗き込んでくるおそ松くん。
「うん、おいしい」
おそ松くんに食べさせてもらったから余計に。
「へへっ、お口開けてる愛菜、マジエロかったー。なあなあ、今度その顔、写真に撮らせて。使えそう」
「何言ってるの!? もうっ!」
せっかくキュンとしかけたのに、またエロ話。この男はっ!
「それより、俺にも食べさせてよ」
「えー、恥ずかしいよ……」
「それはないだろ! 俺も食べさせたじゃん!」
「ふふっ、分かってるよ。あ〜ん」
素直に口を開けるおそ松くん。すくった氷を食べさせてあげる。
「ん〜、冷たいっ!」
おそ松くんも美味しそうに笑った。