第6章 ドント・ストップ・ミー【おそ松】
「よし、愛菜が戻って来る前に失敗しないように練習しておくか……」
俺は一人で会話のシミュレーションを始めた。
女っぽい声音で、愛菜の真似をする。
『おそ松くんっ、あたしっ、実は悩んでることがあって』
「どうしたんだい? 俺に話してごらん?」
もちろん、"俺"は男らしく返す。あ? 普段お前こんな喋り方しないだろって? うるせー、ほっとけよ。
『あたしっ、もう、我慢できないの』
「我慢できない? 何がだい?」
『あたしっ、あたしっ、体が疼いておそ松くんに抱かれたくて……』
「ハッ!」
『おそ松くん、好きっ! 好きよっ! 抱いてっ!』
「あっ! 愛菜っ! ちょっ! そんな! 大胆なっ! ああっ! 愛菜ーーーー!!」
あー、この展開、たまんないっ! 俺は叫びながら床を転げ回る。
瞬間、部屋のドアが開いた。
「あっ、愛菜…………って、痛え! 足攣った!!」
急に起き上がろうとした俺は、激痛に見舞われ、足を押さえて蹲った。
「おそ松くん、どうしたの? 大丈夫?」
部屋に入ってきた愛菜が目を丸くする。