第1章 彼はお医者さん【一松/医者松】
《一松side》
おいおいおいおい。聴診なんてするの久しぶりなんだけど……。しかも、好きだった女の子の……。
愛菜が服のボタンを外していく。高校時代、あんなにも夢見た愛菜の胸が今、目の前に……。
い、いや、何考えてんだ、おれは……。相手は患者だぞ。医者を信用して来てくれてんのに、こんなこと考えてちゃだめだろ……。
おれは震える手で聴診器を愛菜の胸に当てた。できるだけ直視しないように目を逸らす。
落ち着け……ちゃんと音を聞け……。
思えば思うほど、自分の胸のドキドキが加速する。直接触っているわけではないけど、胸の柔らかい弾力が聴診器を通して、おれの手に伝わってきた。
あ、やべ……。
勃つ…………。