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《おそ松さん》クズでニートな君が好き(R18)

第27章 ぼくは紫陽花(あじさい)【十四松】


うわ〜何これ、恥ずかしい。

そっと耳を澄ますと、気持ち良さそうな寝息。お兄さんは完全に寝ている。

いいんだけど、ちょっと苦しいし、暑い……。

もぞもぞ動いて腕から抜けようとするも、十四松お兄さんの力の強さったら。しっかり私を抱きしめて、離してくれそうにもない。

「ちょ……お兄さんっ……離してよ……暑い……」

「あはー……愛菜ちゃん、パフェ食べ過ぎ……もう14個目だよ……」

いやいや、食べてない! そんなに食べられないから! 一体、どんな夢見てるの!?

「お、お兄さん……力強い……う……」
お兄さんの胸板を両手で押してもビクともしない。

「あっは! 愛菜ちゃん、今度は肉まん!? マジっすか!」

マジも何もそんなに食べないし! それにこんな蒸し暑い時期に肉まん食べないから! 夢とはいえ、ちょっと傷つくんですけど。私のこと大食いだと思ってるの!?

「もうっ、お兄さんっ! 離してってば!」

少し大きめの声を出したら、お兄さんはパチッと目を開けた。

思わず固まる。

「あー! 愛菜ちゃんだー! あっは! わーい! 愛菜ちゃーん!」

お兄さんは嬉しそうに笑うと、解放してくれるどころか、ぎゅうっと強く抱き締めてきた。

「お、お兄さん……くるし……」

もしかして、寝ぼけてる!?

お兄さんはさらにすりすりと頬ずりをしてくる。

「あはー! 愛菜ちゃんのほっぺ、気持ちいいー! 赤ちゃんのお尻みたーい!」

私のほっぺをお尻に例えないで! 確かに赤ちゃんのお尻はモチモチふわふわで気持ちいいけど。頬ずりもなんかこれはこれで……嫌じゃないけどっ。

「お……お兄さん! とりあえず、もう少し力緩めて!」

「え……? 愛菜ちゃん……?」

ようやくお兄さんがしっかりと私を見る。ちゃんと起きたみたいだ。同時に背中に回されていた腕から力が抜け、私はホッと息を吐いた。


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