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《おそ松さん》クズでニートな君が好き(R18)

第27章 ぼくは紫陽花(あじさい)【十四松】


とりあえず、お金を調達しなきゃ。おそ松兄さんかカラ松兄さんに借りるか、母さんに小遣い前借りをお願いするか。あっ! それかイヤミから巻き上げるって手もあるか。うーん、どうしよう……。

そんなことを考えながら紫陽花の横を通り過ぎる。

「待って!」
愛菜が駆けてきて、ぼくの傘を引っ張った。

「あー?」

「お腹空いたから何か食べに行こう? お金だけ貰うとかできないよ。お兄さん、ニートなんでしょ? なんかおかしいよ!」

愛菜がぼくのパーカーを掴んで必死に引き止める。

こんな可愛い子と遊びに行けるなんてめちゃくちゃ嬉しいけど、これって大丈夫なのかなー? ぼく、逮捕されない?

「うーん、もう夕方だし家に帰ったらー?」

「家に帰っても……誰もいないし……」
愛菜は、少し俯き加減に返した。ぼくのパーカーを掴む手に力が入り、深い皺ができる。

一人になりたくない。そんな声が聞こえてくるような気がした。

「……じゃあ、うちに来る?」

「え?」

「うちならいっぱい人いるし! 行こ行こー!」

「っ……ちょ、ちょっと待っ……」

ぼくは愛菜の腕を掴むと、家に向かって歩き出した。雨はいつの間にか止んでいて、ぼくも彼女も傘を畳む。濡れたアスファルトの道に二人の足音が響いた。








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