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《おそ松さん》クズでニートな君が好き(R18)

第27章 ぼくは紫陽花(あじさい)【十四松】


ますます強くなる雨を受けながら、ぼくは彼女を見つめる。青や紫、桃色に染まった紫陽花がぼくたちの様子を黙って見ていた。


「あ! 君が愛菜ちゃん?」

やがて、公園には毎回違う彼女の待ち合わせ相手が現れる。すっかり見慣れた光景だ。

今日は、スーツ姿の小太りの中年男性。慌てたように公園に走って入ってきた。たぶん、会社帰りだろう。

「はいっ、そうです! 愛菜でーす!」

さっきまでの気怠そうな様子とは違い、愛想良くスーツのおっさんに返す彼女。

「アプリの写真通りだ。レンタル彼女って初めて利用するんだよ。本当に女子高生がやってたりするんだねぇ。お腹すいてるかい? 一緒に食事行きたいなと思っているんだけど」
おっさんは気遣うように愛菜を覗き込む。

「はい。お腹空いてます!」
愛菜は、にっこりと笑った。

「ふふっ、そうかぁ。行こう行こう」

歩き出そうとする男性。

「あ、待って! 先に前金!」
愛菜は男の袖を引っ張った。

「え? 先にお金取るの? いいけど、途中で逃げたりしないだろうね?」

「まさか! しませんよ。前金は1万で大丈夫です。念のためです」

「ったく、最近の女子高生はしっかりしてるなぁ。オプションもあるの? 追加で払えばもう少し……その、ねぇ? 彼女的なこともしてもらえるのかな?」

男が傘の柄を脇に挟み、ゴソゴソと懐を探る。


あのね、ぼくもかなりのクズだけどさ、いくら働いていてもこういうおっさんは大概だと思うんだ。

だって、いい年してJKにお金払って、デートするんだよ? これって最低だよね?

えー? お前もレンタル彼女を使ったことあるだろうって? んー、それはねー……忘れた!


ぼくは二人に背後から近付いた。


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