第26章 大人の社会科見学【一松】
「かなり柔らかくなってきた……でも、まだ足りない……」
私は一松さんの言葉に目を開けた。
「足りない……?」
どういう意味……? 何を言っているの?
「なかなか生地を手で捏ねるのは大変なんだよ……大抵の場合は機械を使う……」
「機械……」
嫌な予感がする。私は緊張で身を固くした。
一松さんは、近くにあった棚から大きなハンディマッサージャーを取り出す。電源を入れると、低いモーター音が唸るように響いた。
「では、ここからは手捏ねではなく、機械で生地を捏ねていきます……。そうですね……強さは一番強くて大丈夫でしょう……」
強弱の調整スイッチを捻る一松さん。モーター音はさらに大きくなった。
「ひっ! やだっ! やめて!」
小刻みに激しく震えるマッサージャーのヘッドが視界に入る。このあと、何をされるかなんて明白だ。
「やめてと言われて、やめる馬鹿はいないでしょ……」
一松さんは表情一つ変えずに私の胸にヘッドを押し当てた。
「ああっ!」
ブーンという音と共に蕾が擦れる。痛いくらいの強い刺激が走った。
「はい……まんべんなく生地を捏ねてください……」
膨らみの輪郭をゆっくりとヘッドが移動する。動きに合わせて揺れる双丘。
「ひっ……い、いや……」
「静かにして……あんた、我儘だな……」
ヘッドがまた蕾に触れた。
「ゃああああっ!」
ビクッと跳ね、ロープが手首に喰い込む。
「もう片方も念入りにやりましょう……」
交互に押し当てられ、そのたびに私はビクビクと痙攣した。
なんで? なんでこんなことをされているの?
私はただ仕事で園児を連れてきただけなのに……。