第26章 大人の社会科見学【一松】
「お勉強?」
瞬間、一松さんに両腕を強く掴まれた。
「まずはパンの作り方……」
「ちょっ……離してっ!」
振りほどこうとしても男の人の力はやはり強い。あっという間に腕を捻り上げられる。天井に敷かれた移動式クレーンのレール、そこから下がったロープに両手首を縛られた。立ったまま、腕だけ上げて固定されている状態だ。
一松さんがヒヒヒッと笑いながら、私の頭を雑に撫で回した。
「園長のやつ、なかなか気が利くよ……あんたみたいな美人が来るとは思ってなかった……。じゃあ、早速始めようか……最初に生地作りをします……袋から材料を出して下さい……」
どこに持っていたのか、大きなハサミを取り出し、躊躇なく白衣と私のカットソー、肌着をジョキジョキ切り始めた。
「いやっ! やめて!」
身体を揺らして抵抗する。
「あんた、いいの……? 暴れると服以外もうっかり切っちゃうかもよ……」
「っ!」
背筋が凍る。ただの脅しのようには聞こえない。この人、たぶん、本気で言っている。
恐怖で大人しくしていると、露わになったブラの紐も容赦なく切られた。上半身裸になってしまった私を少し離れて眺め、一松さんはヒヒヒッと笑う。
「あんた、おっぱい大きいね……」
「っ……」
屈辱……。なぜ、私は知らない男にこんなところで裸を見られているんだろう。
一松さんはハサミを置くと、私の後ろに回り込んだ。後ろからぐいっと胸を乱暴に鷲掴みにする。
「ひっ!? や、やめて!」
私の言葉には耳を貸さず、むにむにと力強く揉み始めた。
「それでは生地作りに入ります……。生地はしっかりと捏ねないと発酵がうまくいかないから……こうやって力を入れて揉み込んで下さい……」
ボソボソと喋る一松さん。