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《おそ松さん》クズでニートな君が好き(R18)

第26章 大人の社会科見学【一松】


「おい、ガキ共、余計なことしたら全員死んでもらうことになるぞ」
一松さんの言葉にトド松くんは泣きそうな顔で手を離した。


ここで一松さんを刺激して怒らせてはまずい。とにかく子供たちを逃さないと。


私はトド松くんの頭を優しく撫でる。
「大丈夫だよ。先生も後から行くから、みんなは先にバスに戻っていてね。運転手さんもいるはずだから。ほら、早く行きなさい。早く!」


「「「「「愛菜せんせい……」」」」」
泣きながら一人ずつ隙間を通っていく園児たち。全員通るとすぐにシャッターは下ろされた。


よかった……。なんとか子供たちだけでも逃がすことができた……。


少しホッとしたのも束の間、一松さんがヒヒヒッと不気味に笑った。
「さてと……子供もいなくなったことだし、大人の社会科見学を始めましょうか……奥田先生……」


「大人の社会科見学……? 殺すつもりなんでしょ……?」


一松さんは静かに私に向かって歩いてくる。
「殺すわけないだろ……園長先生にわざわざ頼んだのさ……『いい加減、今年は若い女の先生を引率によこさないと、見学打ち切りにするぞ』って……。あんたは園長に売られたんだ……」


「園長先生が……?」
後退るとシャッターが背中に当たり、不快な金属音が響いた。逃げ場がない。


「何年か前にも、引率に来た女の先生に個別に社会科見学をしてやったんだよ……。そしたら、次の年から男が引率に来るようになっちまって……こっちは親切で社会科見学させてやってるのに……」
 

一松さんはニヤニヤしながら、私の目の前に立った。閉め切った車庫は風が通らずムシムシと暑い。こもった空気のせいか息苦しくなってくる。暗い閉鎖空間で何をされるか分からないという恐怖に自然と汗が吹き出した。


「何なの……? 何をする気……?」


一松さんは冷たい瞳で私を覗き込んだ。
「大人にしか教えられない特別なお勉強をするんだよ……」


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