第5章 それでも君が好き【チョロ松】
落ち着いていた気持ちが一変、またカーッと血が上ってくる。
「じゃあいいの? 愛菜の僕への気持ちってそんなもんなの?」
「え? そんなことないよ? チョロちゃん大好きだし、いてほしいよ? でも、無理強いはしたくないかな」
「あ〜もう!」
僕は大声を出した。
「チョロちゃん?」
「どうせ、僕のこと日中何もしていないダメな奴って思ってんだろ? ハロワ行くふりして行かなかったり! にゃーちゃんのライブ行ったり! シコ松したり!」
「…………」
「それで結局、一日終わっちゃって『あーっ』て思って後悔マックスなんだけど、まぁ、でもよく考えたら、そんな時間が僕という人間を育てるわけで! マストなベースだから有意義な時間を過ごせて、それはそれでいいんだけど、まぁ明日頑張ろうと思ったり!」
「え〜っと、そうなの? うん、そっかあ……」
愛菜が困ったように返す。
僕も話しているうちに、自分が何を言っているのかよく分からなくなってきた。
「とにかく! 『そんなこと言うなら仕事しろよ』って思ってるんだろ!?」
愛菜は穏やかに返す。
「別に思ってないよ……。チョロちゃんには自由に好きなように過ごして欲しいなって思ってるし」
僕は地団駄を踏んだ。
「それじゃだめなの!」
「なんで?」
「そんな人生終わってるだろ!? 僕はちゃんとしたいんだよ!」
「うん……」
「だから、ちゃんとする!」
「うん。そっか」
「うん」
僕は力強く頷いた。