第25章 おめでと♡サマー仮面【カラ松】
《愛菜side》
「ちょっとカラ松くん! どうしたの?」
カラ松くん――なぜか今日はサマー仮面の格好をしている――は、返事もせずに静かにこちらを見つめている。
一体、何なの? 急にバスルームに連れて来られても意味が分からないんだけど。
説明してくれないサマー仮面を睨むと、彼は宥めるように両肩に手を置いた。
「ハニー、オレは誰だと思う?」
「誰って……カラ松くんでしょ?」
「違う! よく見るんだ! この美しきやんちゃBODYを! オレはカラ松じゃない! サマー仮面だ!」
乳首の上に描かれた太陽と月のペイントを見せつけるように胸を張る。
「……それは分かってるよ。でも、サマー仮面はカラ松くんでしょ?」
彼は首を振った。
「ハニー、サマー仮面はカラ松であって、カラ松じゃあない。オレサマーのこの姿は、愛菜ちゃんへの愛と情熱を表しているんだ。本当にオレに言いたいことはないのか? オレサマーのこの身体を見ても『ない』と言い切れるか? このセクシーナイスボディに誓えるか?」
誓えるかって言われてもよく分からないんだけど……。
私はサマー仮面を見つめた。
「カラ松くん、もしかして何か私のこと疑っているの? 浮気もしてないし、思い当たるものがないよ。何のことかはっきり言って!」
「フンッ、ならば言おう。愛菜ちゃん、オレとのセックスに不満があるそうじゃないか。満足してないんだろ……? 気になって仕方がない。教えてくれ! 水くさいじゃないか!」
「え!? もしかして聞いてたの!?」
私は両手で口を押さえた。