第25章 おめでと♡サマー仮面【カラ松】
「あれ? カラ松は食べないの? 唐揚げあるよ?」
チョロ松が不思議そうに話しかけてくる。
気付いた愛菜ちゃんがオレの隣にやって来て座った。
「どうしたの? 誕生日なんだからどんどん食べて! それとも体調悪いの?」
「いや……」
静かに返す。
「もしかして、予定を伝えるの忘れてたから怒ってる? ごめんね」
申し訳なさそうに謝るハニー。
そんなことはどうでもいい。気になっているのは別のことだ。
オレは愛菜ちゃんを見つめた。
「なあ、愛菜ちゃん、オレに言いたいことはないか?」
「言いたいこと……?」
きょとんとするハニー。
その時、ビールを持ったおそ松がオレたちの間になだれ込んできた。
「はーい、そこまでー! 愛菜ちゃん独り占め反対ー! カラ松は普段愛菜ちゃんと一緒にいるんだから、今日はみんなの愛菜ちゃんなの!」
マイプリンセスの手を取り、連れて行こうとする。
くっ、これじゃ、ゆっくり話もできない。どうしてもハニーに聞きたいことがあるのに……。
「待つんだ、おそ松!」
オレは愛菜ちゃんの腕を掴む。
「あ?」
「おそ松……お前にはサマーが足りていないようだ……」
「はぁ?」
おそ松が呆れたような声を出す。