第25章 おめでと♡サマー仮面【カラ松】
目の前にいた一松の隣に座ろうとすると、殺されそうな目つきで睨まれたので、仕方なくチョロ松の隣に座る。
愛菜ちゃんがビールの缶を持って立ち上がった。
「はーい、では乾杯しよ! 松野兄弟、誕生日おめでとう! 高校を卒業してから疎遠になっていたけど、去年の夏からみんなと改めて仲良くなれて嬉しいなって思ってるよ。これからもよろしくね! ハッピーバースデー! カンパーイ!」
「「「「「「カンパーイ!」」」」」」
みんな一斉に声を上げる。すぐに愛菜ちゃんの料理に全員が食らいついた。
「うまっ! 愛菜ちゃん、これ最高! いいお嫁さんになるんじゃね? やっぱりカラ松やめて、長男の俺と結婚しようぜ!」
嬉しそうにシチューを掻き込むおそ松。
「それを言うなら、堅実な僕と結婚したほうがいいよ。僕なら将来も安泰だし、今だってちゃんと確定申告を確定して申告してるからね!」
チョロ松が得意げにサラダを頬張る。
「あんた、クソ松と付き合うとかなんか前世で悪いことでもやったの……? ほんとご愁傷様……」
一松がジュースを飲みながら、気の毒そうに愛菜ちゃんを見た。
「あっはー! うんまー! 愛菜ちゃん、毎日食べに来てもいい!?」
片っ端から口に放り込んでいく十四松。
「ふふっ、愛菜ちゃんって本当に女子力高いよねー! 今度一緒にお菓子でも作る? 休みの日に材料買いに行こっか?」
あざとい微笑みでちゃっかり誘おうとするトド松。
「ありがとう! みんな喜んでくれてるみたいで嬉しいな〜」
ニコニコと返す愛菜ちゃん。
楽しそうにワイワイと食事をするブラザーたちとハニー。オレは輪に入れず、そんなみんなを黙って見ていた。