第25章 おめでと♡サマー仮面【カラ松】
不審そうな顔をする愛菜ちゃん。その後ろに人が座っているのが見える。よく見ると、テーブルを囲んでオレと同じ顔の人間が5人いた。
ん? んん〜!?
一番手前に座っていた男性が振り向く。
「カラ松、遅いじゃないか。始まっちゃうよ?」
よく見ると、口を尖らせているチョロ松。
「ほんと……今日という日を呪いたいよ……おれたちみたいなクズでゴミな六つ子は生まれてこなければよかったのに……」
隣の一松が闇のオーラを宿してオレを見る。
「あっはー! カラ松兄さん、また、サマーしてるぅ! すっげー!」
大笑いする十四松。
「うわ〜……イッタイよねー。誕生日にこの格好で彼女の家にくるとか、どういう思考回路してるの?」
反対側のトド松が顔をしかめる。
「おい、カラ松ぅ! 早くしろよ。みんな待ってるんだぜ? 俺、もうお腹ペコペコ! 待ちきれないんだけどぉ!」
おそ松が箸で皿を鳴らす。
へ……? なんでみんないるの……?
愛菜ちゃんがオレを引っ張った。
「早くおいで。今日はみんなで誕生日パーティーするんだから!」
「誕生日パーティー?」
「あれ? 言ってなかったっけ?」
「き、聞いてないぞ、ハニイィィィ!」
愛菜ちゃんはアハハと笑いながら、玄関を指差した。
「ごめんね。カラ松くんに言うの忘れてたかも。早く入っておいでよ」
何たることだ。まあ、おそ松とエロ忍者してなくてよかった……。
オレは大人しく玄関から家の中に入った。リビングに入ると、テーブルの上には大きなケーキ、サンドイッチ、シチュー、サラダ、そして大量の唐揚げ。他にも色々なオードブル、ビールやジュースが並んでいた。