第25章 おめでと♡サマー仮面【カラ松】
「だめだよ、おそ松くん。我慢して」
「焦らすなよぉ、愛菜ちゃん!」
「あ! だめ! おそ松くん、だめだってば!」
愛菜ちゃんの緊迫した声が聞こえる。
くそ! もやしチンコめ! 愛菜ちゃんに何を!
オレは窓枠に手をかけた。
その時。
「きゃあああ! 不審者! 不審者がいる! 誰かー!」
後ろから女性の叫び声。
振り向くと、おばさんがオレを指差している。通りがかったサラリーマンらしきスーツの男が慌ててスマホを取り出した。
「もしもし、警察ですか!? 民家に入ろうとしている変態がいます! ええ、ええ、はい。変な仮面をつけている海パンの男です!」
「ち、違います! これは! サマーをサマーして……」
オレは誤解を解こうと彼らに近づく。
「きゃあ! 変態がこっちに向かってくる!」
「うわあ! おい、誰か! 誰か捕まえろ!」
くっ! このままではまずい。変態として警察に捕まってしまう。オレはただ市民の平和なサマーを望んでいるしがないサマー仮面なだけなのに! サマーを愛するだけでこんな扱いを受けるとは、一体どうなっているんだ、最近のニッポン!
「カラ松くん!? 何をやってるの!?」
後ろの窓が勢いよく開き、聞き慣れた声が聞こえた。振り向くと、目を丸くしている愛菜ちゃん。
「ああ~愛菜ちゃーん! ヘルプミイィィイ!」
ホッと胸を撫で下ろす。マイプリンセス、愛しの女神の登場だ。オレは泣きながら彼女に縋り付いた。
「え!? どうしたの!? 分かったから! 泣かないで! いいから、早く入りなよ!」
「でも、入っていいのか……? 中でおそ松とエロ忍者なんだろ……?」
「は?」