第24章 悪魔は甘いキスがきらい【おそ松、トド松】
デビおそがトッティを吹き飛ばしちゃったせいで途中で終わったものの、私から襲ってしまったことに違いはない。
「ごめんなさい!」
私はトッティに頭を下げた。
「?」
「急にキスしちゃったりして! あの時は悪魔に憑かれていたというか……あ、今も憑かれているけど、でも……とにかくごめんなさい!」
「悪魔? よく分からないけど、別にボクは嫌じゃなかったよ?」
「え?」
嫌じゃなかった……?
顔を上げるとトッティは恥ずかしそうに微笑んだ。
「その……ボクも男だから、あんなことされたら気になっちゃうというか……。愛菜ちゃんの気持ちをちゃんと聞きたいなっと思って……」
「トッティ……」
「でも、迷惑だったらすぐ帰るよ。『キスしたからって、夜に来るなよ、勘違い野郎』ってカンジだよね? ごめんね〜!」
苦笑いしながら手を合わせるトッティ。勘違い野郎どころか来てくれてすごく嬉しいのに……。
「そんなことないよ。トッティに会いたいなって私も思ってた……。ねぇ、よかったら上がっていかない?」
すんなりと口から出た言葉。いつもの私だったら、とてもこんなこと言う勇気なんてないのに。
トッティは驚いたように目を丸くしたが、すぐに可愛く頷いた。
「お邪魔してもいいの? 嬉しいなっ」
信じられない。大好きなトッティを家に招待することになるなんて。
トッティを招き入れ、部屋に案内する。彼はキョロキョロしながら鞄を下ろした。