第24章 悪魔は甘いキスがきらい【おそ松、トド松】
【トド松ルート】
※p.413の★分岐点からの続きになります。
私はハッと我に返った。
「ゆきちゃーん? 今日のことで話があって……」
玄関のドアがノックされる。
トッティが私の家に? なんで? とにかく早く出ないと!
「っ……!」
思い切ってデビおそを突き飛ばす。
「うわっ! お、おい!」
情けない姿で悪魔は床に転がった。
構わず下着とパジャマを掻き集めると、急いで身につけ、ベッドの横に置いてあったカーディガンを羽織る。
ふと姿見に目をやると、そこには真っ赤な顔をして髪の乱れた私が映っていた。まるで私じゃないみたい。いつもの姿とは程遠い。
「愛菜ちゃん、やっぱり夜だし迷惑だったかな? ごめんね。また改めて連絡します……」
トッティが玄関から離れる音。
だめだめ! 帰っちゃう! 私は手櫛で髪を梳かしながら、急いでドアを開けた。
「トッティ、待って!」
「あっ……愛菜ちゃん……」
帰ろうとしていたトッティが振り返る。
私服のトッティだ……。いつも店の制服姿しか見ないから、ドキッとする。白いシャツにピンクのネクタイ、ハーフパンツもピンク、帽子にまでピンクがさり気なく入っていて、イメージ通り可愛くてオシャレだ。
トッティは、パジャマ姿の私を一瞥して頬を染めた。
「ごめんね、夜に。でも、どうしても昼間のことが忘れられなくて……」
昼間のこと……。デビおそにそそのかされ、私からいきなりキスしてしまったこと、そして、服の上からトッティに胸を触られたこと……。
思い出したら、顔に熱が集まってくる。恥ずかしい。