第5章 それでも君が好き【チョロ松】
「でも、朝は時間なくて遅刻しそうなんだもん。片付けるの嫌だったらそのままでいいよ〜? 隅に避けておいてくれれば、帰ってきたら、自分で洗濯機回すし」
「それはだめ!」
「なんで?」
きょとんとする愛菜。
「洗濯ってものはちゃんと朝回して、日中外で干すものなの!」
「別にいいじゃん。夜でも」
「だめだよ!」
「でも、朝回すって言っても、チョロちゃんだって、お昼まで寝てることよくあるんでしょ?」
「う! そ、それはそれ! これはこれ!」
「え〜〜」
愛菜が頬を膨らませる。
「あと、化粧したらちゃんと片付けてくれるかな? テーブルの上に化粧水やパウダーの粉が落ちてたりするし」
「できたらやるけど……朝は本当に余裕なくて」
僕は、こめかみを押さえた。あ〜もう、イライラする。
「だったら、その分早く起きればいいだろ?」
「ギリギリまで寝てたいよ。仕事疲れるし。帰ってきたら片付けるから」
またそれかよ!
「なんだよ! 疲れる疲れるって!」
僕は思いっ切り叫んだ。
愛菜がビクッとして手を止める。
「僕だってハロワ行ったりして疲れてるんだよ!」
「…………」