第5章 それでも君が好き【チョロ松】
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「チョロちゃん、ただいま〜」
「おかえり、お疲れ様」
玄関に出迎えに出ると、よろけながらヒールを脱ぐ愛菜。
「はぁ〜疲れた〜」
「お風呂沸いてるよ? 入る?」
「うんっ!」
満面の笑みで嬉しそうに僕を見る。
あ〜可愛い。全くどうしようもないやつだけど、この笑顔があるから離れられないんだよね。
お風呂から上がると、2人で食事。
今夜は僕が作ったカレーライスとサラダだ。
「ん〜おいしい〜! もう夕方頃からおなかすいてすいて。全然仕事に集中できなかったんだよね〜。あー幸せ!」
カレーライスを頬張りながら、機嫌よく話す愛菜。
僕は咳払いをすると、スプーンを置いた。
「あのさ、朝の話なんだけど」
「朝の話?」
「うん、ゴミ箱のこと」
「ゴミ箱?」
「前にも言ったよね? お菓子の袋は匂いがするからリビングには捨てないでって」
「あーうん、ごめんごめん」
愛菜は、ニコニコと返してきた。
いや、真面目に話してんのに、なんで笑ってるんだよ……。
僕は続ける。
「それから、出掛ける時、パジャマを脱ぎ捨てていくのやめてくれるかな?」