第24章 悪魔は甘いキスがきらい【おそ松、トド松】
体を勝手に動かされて、トッティにキスをしてしまったのも、胸を触られてしまったのも、その先に進みそうになったのも、自分から望んだことではないけど、もしうまくいっていたなら問題はなかった。
でも、あくまで『うまくいったら』の話。デビおそがトッティを吹き飛ばしたせいで、全部台無しだ。
トッティにしてみたら、私は強引にキスしてきた痴女。きっと呆れただろうし、もう話もしてもらえないかもしれない。
私はため息をついて、抱いていたクッションに顔を突っ込んだ。
「もうっ……デビおそが余計なことするから……トッティに嫌われたと思う……」
「そんなことないだろ」
デビおそが頭を上げる。
「そんなことあるよ! 適当なこと言わないで!」
「適当じゃねーよ。男なんて単純だから、体で釣るのが早いんだって。今度は失敗しないからさ、もう1回襲っちゃおうぜ!」
「もうやだ……」
私は首を振った。これ以上、トッティの前で恥をかきたくない。彼に嫌われたくない。
デビおそは喋り続ける。
「何でだよ? あ、だったら、魔力でホテルに連れ込むか? 職場でヤルより集中できるだろ? ゴムも置いてあるし、ちょうどいーじゃん!」
ヤルヤル、そればっかり。私は普通にトッティと両想いになって、普通に付き合いたいだけなのに。
「ホテルとかは別にいい……」
「は? じゃあ、この部屋まで連れてくるのか? ま、それでもいいけどさぁ。じゃあ、早速今からでも連れてこようぜ?」
「だから!! 嫌なんだってば!!」
つい大声が出る。デビおそが目を丸くした。