第24章 悪魔は甘いキスがきらい【おそ松、トド松】
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「あれ? 愛菜ちゃん、髪切ったの?」
カウンターの厨房側でホットサンドを作っていると後ろから急に声をかけられた。ビクッとして振り向くと、トッティ。私の片想いの相手だ。
「うん、切ってみたんだっ」
なんだか恥ずかしい。笑いながらごまかす。
私の顔を見て、トッティは目を丸くした。
「ん? 今日はメガネもしてないね。コンタクト? 髪もゆるふわな感じで可愛いよ。色も明るくしたよね?」
「そ、そうなの! 友達に勧められて」
友達というか悪魔だけど。でも、すごい。トッティに可愛いって言われた! 顔がニヤけそうになるのを抑える。
トッティは優しく微笑んだ。
「そっかあ。愛菜ちゃんの髪ってサラサラだから、前の髪型も清楚な感じでよかったけど。でも、今のふんわりな感じもすごくいいよ。メイクも変えたでしょ?」
「うん!」
正確には髪型とメイクを変えた。コンタクトはしていない。デビおその魔力で視力が回復したから、メガネをする必要がなくなったのだ。
「今日は帰りにデートでもあるの?」
私は首を振った。
「デートなんてっ! そんな相手いないから!」
「え〜ほんとに? 愛菜ちゃん、可愛いからモテそうなのに」
「モテそう!? そんなことないよ!」
トッティはくすっと笑う。
「ほんとだよ♡」
ドキッとする。きゅるんと可愛らしい笑顔が眩しい。もしかして、遊びに誘うチャンス? 私は思い切って口を開いた。
「トッティ、ありがとう。あの」「トッティー! レジおねがーい!」
アイダちゃんの声。