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《おそ松さん》クズでニートな君が好き(R18)

第23章 桜とぼくらの一週間【チョロ松/学生松】


すぐ近くで愛菜の息遣い。今にも重なりそうな位置にある唇。彼女が口を開いた。


「チョロ松くんはキスしたいの……?」  


僕は鼻をすりすりと擦り付ける。
「したい……」


愛菜の甘い香りがする。汗くさいなんて言ってたけど、むしろいいニオイだ。彼女の色香にフラフラ酔ってしまいそうだ。


「でも……」
愛菜が言葉を濁す。


「だめ……? 愛菜はしたくないの……?」


愛菜が唾を飲み込むのが分かった。僕ってば、間抜けことを聞いてるな。愛菜がしたいわけないだろ?


「チョロ松くん……」


「うん?」


愛菜が鼻を擦り返してきた。
「私もしたい……」


頭に血が上る。衝動が込み上げる。次の瞬間には僕たちの唇はもう重なっていた。柔らかい愛菜の唇。甘すぎて身体ごと溶けちゃいそうだ。


初めてのはずなのに、もうずっと前からそうすることが決まっていたみたいに、愛菜とのキスは自然なことに思えた。


しばらくして顔を離すと、愛菜が恥ずかしそうに俯く。胸が締め付けられる。全然足りない。


「も、もう1回……だめ?」
僕は愛菜の肩を掴んだ。


「いいけど……」
愛菜が顔を上げる。


また唇を重ねる。目を瞑った愛菜の緊張が伝わってくる。心臓が音を立てているけど、僕の音なのか愛菜のものなのか分からない。


僕は顔を離すと、彼女をぐっと引き寄せた。
「もっ……もう1回!」


愛菜がふっと笑う。
「もう1回が多いよ」


「だ、だめ……?」


1回だけって言ったのは僕だけど、こんなのやめられないよ。もっとしたい。


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