第23章 桜とぼくらの一週間【チョロ松/学生松】
ん? 僕、今、何かまずいこと言った?
愛菜が顔を赤くして、モジモジし出す。掛け布団を取って、パジャマの前を隠した。
んん?
「チョロ松くん、それって……えっちな意味で言ってるよね……?」
んんんん????
僕はやっと自分の言ってしまったことに気づいた。確かにあの流れなら、女優より愛菜とえっちしたいという意味に聞こえる。完っ全に無意識だった。
「違うよ! 変な意味じゃなくて! ただ、愛菜のほうが可愛いし、性格もいいし、僕は好きだって言いたかっただけでっ!」
「す、好き!?」
愛菜がますます驚いたように目を丸くする。
「あ! じゃなくて! だから、愛菜のほうが!」
愛菜のほうが? 僕は何を言っているんだよ。
「チョロ松くん……」
愛菜がますます赤くなり、恥ずかしそうに布団で顔を隠す。
あー……恥ずかしがる愛菜、超絶可愛い……。
僕は呆然と彼女を見つめた。胸が高鳴る。
やっぱり言ってることは間違っていないよ。えっちな意味でも、そうじゃなくても、愛菜のほうが何倍もタイプだ。おっぱい出したおねーさんより、布団で身体を隠す愛菜のほうが、ずっといい。
「愛菜……」
僕はベッドに座る彼女に近づいた。
「ちょっ、ちょっと!? チョロ松くん! なんでこっちに来るの!? そこにいて! こらっ、ハウス!」
愛菜が慌てたようにベッドの上で後退する。
ヤバイ。これ、友情バランス崩れちゃうヤツだ。ここまで頑張って保ってきたのに。
頭の中では冷静に考えているのに、自分を止められない。突き動かされるように愛菜のほうへ動く。ベッドに片膝をつくと、ギシッと軋む音が響いた。
「愛菜、ちょっとだけ……」
「ちょっとだけって何が!? チョロ松くん、来なくていいってば!」
布団でガードしながら、ずるずると枕元へ移動する愛菜。僕はもう片方の膝もベッドに乗せた。