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《おそ松さん》クズでニートな君が好き(R18)

第23章 桜とぼくらの一週間【チョロ松/学生松】


「ん? なに?」


愛菜が僕をジトッと睨む。


は? なに? なんで急に怒ってるんだよ。何か入ってた?


「なんかショック。チョロ松くんって、こういうの好きなんだね……」


さっきまでのテンションが嘘のように愛菜が静かに言葉を吐く。


「んんん? 好きって何が?」


愛菜は、ゆっくりと鞄に手を入れ、何か四角い薄い箱を取り出した。


なんだ? 何か入れてたっけ?


じっと目を凝らす。覚えのないDVDのケース。僕はタイトルを見て、息を呑んだ。


『クラスのあの子は巨乳女子高生♥休み時間におっぱいモミモミぬるっと挿入!』


は……?


「最低! チョロ松くんってこういうの持ち歩いてるんだ! しかも女子高生って何!? クラスの子をそういう目で見てるの!?」


愛菜がDVDでバシバシと叩いてくる。


「うわ! 痛っ! ちょ! 待って! 違うって! 知らないから!」


昼休みを思い思いに過ごしていた生徒たちが一斉に僕らを見る。愛菜が持つDVDに気づいて、あちこちから失笑が漏れた。見回すと、離れた席で唯一、腹を抱えて大笑いしているヤツがいる。おそ松兄さんだ。


なるほど、犯人はクソ長男か……。僕は全てを理解した。


「愛菜、違うって。これは兄さんが……」


「ほんっともう知らない! あとで捨ててくるから!」
愛菜がDVDを自分の机の中にしまう。


「ねぇ、愛菜、ごめんって。本当に僕じゃなくて……」


「話しかけないで!」


愛菜は頬を膨らませ、こっちを見ようともしない。


ああ、もう、おそ松兄さんめ、何してくれてんだよ。だいたい、何で僕が愛菜に謝ってるの? 僕が悪いわけじゃないし、仮に僕のだとしても愛菜には関係ないよね?


「授業始めるぞー」
世界史の教師が教室に入ってくる。一斉にみんなが席につき、そのまま小テストが始まった。


愛菜をこっそりと見るが、まだ不機嫌そうに顔をしかめている。


「はあ、最悪だ……」


僕はテスト用紙に突っ伏した。


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