第23章 桜とぼくらの一週間【チョロ松/学生松】
いやいやいや、何考えてるんだよ。そういうのはナシだろ。僕たち、友達なんだし。
愛菜は、僕のやましい視線には気づかず、一生懸命弁当を食べている。ひとくちが小さいから、食べるのに恐ろしく時間がかかる。
僕は机のへりに押し付けられた愛菜の胸に視線を移した。大きいから押し潰されて、その形が余計目立つ。
もし、僕がセックスさせてって言ったら、愛菜はどんな反応をするんだろう。言うことを聞くって言い出したのは、愛菜だし、セックスまでは無理でもせめて裸を見るぐらいは……いや、触るぐらいならイケるんじゃないか……?
股間がキュンと熱くなってくる。僕は机の下で膨らんだものをこっそり手で押さえた。
触らせてくれるなら、できれば胸と……あそこも……でも、お尻も捨てがたいな……う〜ん、どうする、チョロ松?
「あー、無理! せっかく買ってきたけど、お弁当だけでお腹いっぱい!」
愛菜の声で僕は我に返った。
危ない危ない、何を考えてるんだよ。今、完っ全に愛菜を性の対象として見てたよね!? 友情バランス、崩れかけたよね!?
「仕方ない、これはチョロ松くんに進呈しよう。慎んで受け取りたまえっ」
愛菜がヨーグルトを高く掲げる。どうやら食べきれなかったらしい。てか、何だよ、そのキャラ。
「……別にいらないんだけど」
「フフフ、遠慮はいらぬぞよ!」
愛菜は、机の横に掛かっていた僕の鞄を取った。
「ちょっ、何、人の鞄に勝手に入れようとしてるんだよ!」
取り返そうと手を伸ばす。
瞬間、鞄を開けた愛菜が動きを止めた。
「え……うそ……」
驚いたような声。