• テキストサイズ

《おそ松さん》クズでニートな君が好き(R18)

第23章 桜とぼくらの一週間【チョロ松/学生松】


【最悪の水曜日】


「うそーん、今日も雨だよぉ」


教室の窓から恨めしそうに空を睨む愛菜。僕はそのすぐ横の席でクリームパンをかじりながら、「ハイハイ」と返事をした。


「ちょっとチョロ松くん! パン食べてる場合じゃないでしょ!? 火曜日も雨だったんだよ? これじゃ、桜散っちゃうよ!?」


「だから、散るって言っただろ?」
僕はサンドイッチの袋を開けた。


「あっ! チョロ松くん! なんでサンドイッチよりクリームパンを先に食べたの!? 甘いのはあとでしょ!?」


「知らないよ、そんなルール。別にどっちから食べてもいいだろ?」


いつの間にか愛菜の興味は、もう桜からパンに移ったようだ。相変わらずコロコロと話題が変わる。


「ええ〜! サンドイッチは食事で、クリームパンはデザートだよね?」


「どっちも今の僕には食事なんだけど。それより愛菜も早く食べなよ。もうすぐ昼休み終わるよ?」


「ハッ! そうだ! 食べるの忘れてた!」
愛菜は慌てて隣の席で弁当を広げた。


まったく何なんだよ。言われなきゃ、昼飯食べるのも忘れるって、幼稚園児じゃないんだから。いや、幼稚園児だって昼食の時間になれば、お利口にちゃんと食べるよな。


僕は牛乳を飲みながら、窓の外を眺めた。あの大きな桜の木が雨の中で静かに立っているのが見える。まだ、花はそんなに散っていないようだ。でも、さすがに週末まではもたないだろう。


月曜日に愛菜と話したことを思い出す。うやむやで終わったけど、桜が散っていたら、僕の言うことを聞いてくれるんだろうか?


僕はちらりと愛菜を見た。


制服のスカートから覗くすらりとした足。思わず唾を飲み込む。


/ 804ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp